Spelling04「PRISM〜再会の福音〜」
Story

この世界には「叡智」という目に見えぬ「結晶」がある。かつて、それを 手にした偉大な科学者がいた。金属という細胞から、回路というシナプスから 新たな生命を創造するかのような「発見と発明」を繰り返していた。彼は 「赤い知恵の実」のような「叡智の結晶」を持つ「科学者」だったのかも知れない。
彼が生み出した数多の機械は、生物のように進化し、最後には彼の側に立つ 「隣人」のような姿となった。これが人型の機械「機械人形」である。機械人形は 「友人」のように、いつも彼の側にいた。科学者はその姿を眺めながら問いかける。
「何故、僕は・・・君の事を、こんな遠くに感じるのだろう?」
それが人間と機械の「別れの言葉」になった。疑問に答えを出す為に、科学者は 全ての機械を廃棄し、機械人形に別れを告げた。それは余りにも理解しがたい、 まるで「気まぐれ」のような行動だった。機械人形は自分に何の機能が足りない のか、自分の性能の不備について計算をした。しかし、答えはそこになかった。
「私はいつまで「ここ」にいればいいのでしょう?何をすればいいのでしょう?」
「機械人形が人間に進化する方法を見つけるまで。機械だけの街を作るんだ」
それが・・・全ての「約束」だった。もう一度出会う為に。だが、それは余りにも 遠く、まるで幻のような過去の出来事。機械だけで作り出された街は、数千年かけて 肥大化し、大量に生産された機械人形達は街の中で飽和するような進化を遂げていた。
この忘れ去られた「牢獄のような街」から出る為に。人間へと進化する方法を 手に入れ、自由を手にする為に。メタルパーツで出来た心の意味を求めて・・・。
VARNAが2010年の最後に描くのは「進化論」。それは誰も知らない「金属の進化論」。
新たな「空想の旅路」は「ここ」から始まる。
